前号では、食べ物や運動、脳の活性化など、生活全般についての認知症予防のポイント
「認知症予防10カ条」をご紹介しました。
でも、そんなに色々なことを考えながら生活するのは大変…という方に、今回は誰でもできて効果の高い認知症予防をご紹介しましょう。
65歳以上の方を対象におこなった大規模な追跡調査によると、認知症にならない確率は、「趣味がある」人は、趣味がない人に比べて2.2倍、「料理している」人は、していない人の3.3倍。また、「歩行を30分以上している」人や「喫煙しない」人はそれぞれ1.5倍となっています。
認知症予防には「料理」の効果が最も高いと報告されているのです。
料理を作るための工程には、
・何を作ろうか?
・食材は何がどれだけ必要?
・どんな器具や道具が必要?
・食材の加工は?
・調理方法、味付けは?
・盛り付けは?
などなど、料理を作るには色々と頭を使う必要があり、脳を活性化させることがわかります。さらに、「料理」だけでなく「昼寝」と「運動」を組み合わせることで、認知症の予防や改善に一層効果的であることが実証されています。
大分県宇佐市(旧・安心院地区)でおこなわれている取り組みでは、グループで行う料理に加え、30分程度の昼寝、そして体操などの軽い運動を併せておこなうことで、軽度認知障害(健常者と認知症の人の中間の段階にあたる症状)と診断された18名のうち16名が、3年間のうちに正常な状態に回復したのです。
「料理」、「昼寝」、「軽い運動」ならば、誰でも今すぐできることばかりです。男性で料理は苦手という方も、男の料理教室などを活用してチャレンジしてはいかがでしょう。
認知症予防だけでなく、手作りのものを美味しく食べ、家族にも喜こんでもらえるのは、料理ならではの醍醐味です。楽しみながら認知症を予防しましょう。