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骨粗鬆症の予防(2)~骨粗鬆症治療薬の効果効能~

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骨粗鬆症の薬について教えてください。

骨粗鬆症治療薬  骨粗鬆症の治療の基本は薬物療法です。
今回は病院で処方される代表的な新しい骨粗鬆症治療薬について解説します。
最近はダイエットのためか骨粗鬆症を心配する若い女性が増えていますが、以下に述べる治療薬は作用が強くて胎児にも影響を与えることから、妊娠可能な女性には投与できません。

●活性型ビタミンD3製剤
腸からのカルシウムの吸収を助けることで骨を強くします。近年ビタミンDの作用として筋力を強くし、バランスを良くして転倒防止の作用があることが分かってきました。腸からのカルシウムの吸収を助けるだけでなく直接骨を強くする新しい活性型ビタミンD3製剤が開発され注目されています。1日1錠服用します。

●SERM(サーム)製剤
女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きを持ち、閉経後に女性ホルモンが低下し、新陳代謝のバランスが崩れた骨を正常に近づけます。1日1錠服用します。

●ビスフォスフォネート製剤
骨吸収を抑える薬です。骨は常に吸収と形成を行っていますので、吸収を抑えると骨はだんだん強くなっていきます。骨密度を高くし、骨折の発生を防ぐ作用があります。朝食前空腹時に毎日飲むタイプと週に1回だけ飲むタイプがあります。最近はミノドロン酸という4週に1回だけ服薬すれば良いタイプも登場してきました。

●テリパラチド注射剤
テリパラチドは、骨を作る細胞である「骨芽細胞」の数を増やすことで骨量を増やし、骨を強くします。他の薬が骨吸収を低下させることで骨を強くするのに対して直接骨を増やすので、骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者さんが適応となります。1ヶ月使用できる注射剤を自宅の冷蔵庫に保管して、インシュリンの自己注射のように毎日1回自分でお腹や太腿に皮下注射します。

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お答えします

河村 顕治 先生
Kenji Kawamura
  • 吉備国際大学大学院保健科学研究科教授
  • 岡山大学医学部卒業
  • 医学博士
  • 日本リハビリテーション医学会専門医
  • 日本整形外科学会専門医

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