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認知症の予防(2)~「ボケないための10ヶ条」と歯の影響~

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認知症と歯にはなにか関係があるのですか?

 誰もが「認知症」になりたくないと言います。私も強くそう思います。認知症の方々の中には、穏やかで、いつもにこにこしていて誰にでも好かれるご老人がおられます。認知症になるなら、できれば私もそのような老人になりたいと思います。日頃、理性で感情をコントロールしている私にとってはどんな患者になるのだろうと想像すると空恐ろしいことです。

 故近藤喜代太郎先生(公衆衛生学)は「ボケないための10カ条」として、

認知症と歯に ①生涯教育
②広い関心・興味と創造的な活動
③趣味をもつ
④多くの人と交わる
⑤スポーツをする
⑥頭のケガを避ける
⑦歯を守る
⑧高血圧の予防・管理
⑨脳卒中の予防・再発予防
⑩糖尿病の予防・管理

上記を挙げています。認知症になった人の病前生活は、精神的社会的生活と運動が不活発であるといわれています。この10カ条はそのような生活に注意して、認知症を予防しようと喚起しています。注目すべきは歯の影響です。最近よく歯と認知症の関係について話を聞くことが多いのですが、ある調査によると、70歳後半の健康な方の歯の本数は平均9本だったのに対し、脳血管性認知症の方は平均6本、アルツハイマー型認知症の方は平均3本でした。また同時に脳の画像を調べたところ、歯の本数が少ないほど脳の萎縮が進んでいました。

 また別の調査で、自分の歯が20本以上ある人との比較で、歯がほとんどなく入れ歯も使っていない人では認知症のリスクが1.9倍、歯がほとんどなく入れ歯を使っている人とではリスクが1.2倍であったという結果が報告されました。残歯の数ばかりに注目されますが、顎関節の近くには、脳への血流を補う部分があり、物を噛むことによって脳への血流が助けられます。残歯の数が多いほど噛みやすくなりますが、しっかり噛んでいるかどうかが認知症の発生に影響を与えると考えられます。自分の歯に、そして何より噛むことをもっと意識すること。不幸にして歯がなくなってしまった人も、入れ歯を使用してしっかり噛むことによって少しでも認知症を予防することができるのではないでしょうか。

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岩田 清治 校長
お答えします

岩田 清治 校長
Kiyoharu Iwata
  • 朝日リハビリテーション専門学校校長
  • (社) 日本理学療法士協会 代議員
  • (社) 岡山県理学療法士会 会長

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