ロコモティブシンドローム(運動器症候群=ロコモ)になると運動ができないために太って
メタボになるという悪循環が起こります。
ロコモは、「骨」「関節」「筋肉」それぞれの働きが加齢によって低下することから始まりますが、最も早く現れるのは
筋肉の減少です。
実はこの筋肉が
糖尿病と密接に関係していることが分かってきました。
筋肉の細胞には「糖輸送担体」というブドウ糖の運び屋がいて、これがインスリンの刺激を受けて血液中からブドウ糖を取り込むことによってエネルギーを得ているのです。
健康な人では、食事をして血糖が上がると、膵臓から分泌されたインスリンと筋細胞にあるインスリン受容体が合体してブドウ糖を取り込む信号が送られます。
その信号を受けて、細胞内の糖輸送担体が、ブドウ糖を取り込んで、エネルギーとして利用します。
しかし、糖尿病の人ではインスリンの量が少ないうえ、インスリンから出る信号が障害されているので、糖輸送担体に信号が十分に伝わりません。
そのため、筋肉にブドウ糖が取り込まれにくくなり血液中にブドウ糖があふれて高血糖になるのです。
運動して筋肉を使うと、インスリンに関係なく糖輸送担体がブドウ糖を取り込むようになります。
また、摂取したブドウ糖のほとんどが筋肉で利用されるため、筋力が強化されればされるほど高血糖が改善されます。
運動すると、糖輸送担体の動きが活発になり、数も増えます。
そのため血液中のブドウ糖がどんどん細胞内に取り込まれ、結果として血糖値が下がるのです。
反対に運動をやめると、糖輸送担体の働きは悪くなり数も減ります。
運動して筋肉を使うことにより、糖尿病でインスリンの量が少なくなっても、糖輸送担体を活性化することで血糖値を下げることができるのです。
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