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高齢者の転倒予防対策(1)~内的要因と外的要因~

シニア健康相談では、シニア世代の方々の健康に役立つ情報をお届けしております。

高齢者の転倒について教えてください。

 要支援・要介護状態になる原因 の一つに転倒があります。不幸にして骨折してしまったり、打撲で痛みが出現したりで、生活の不活発化が起こり(過剰な安静)、その結果身体機能が低下し、生活機能も低下して何らかの援助を受けなくてはならない状態に陥るからです。これを廃用症候群といいます。

高齢者の転倒 また、転倒したことにより、歩いたり、活動的に生活するのが怖くなり、安静度が増して同じように廃用症候群が起こり同じような状態に陥ることもあります。これを転倒後症候群といいます。身体に障害がある方ばかりではなく、障害のない方でも高齢になるにしたがって、転倒することに恐怖心を持つ方の割合が多くなるという調査結果もあります。

 ではなぜ転倒してしまうのでしょうか。原因は大きく分けて、内的要因と外的要因があります。内的要因とは、疾病、機能障害、老化等による身体機能の低下です。また外的要因とは、環境整備の不備によるものを指します。対策として、適切な治療、リハビリテーションを受け、内的要因を軽減することです。また、外的要因に対しては、転倒しないように環境を整備することです。絨毯の端がめくれていたり、床に必要以上に外光がはいり反射していたり、床に影が映っていたり水分が落ちていたり、動線に物が置いてあったりしていませんか。また、転倒しにくくなる運動として、股関節を曲げる筋肉の一つ、長腰筋を鍛える方法があります。30~40cm位の高さのしっかりした台を用意し、上がったり降りたりすることで鍛えられます。階段や玄関の上がり框を利用してもよいでしょう。茨木県の太洋村(現鉾田市)と筑波大学がこの運動をコミュニティーで展開したところ、転倒する方が減少し、その年の医療費が一人当たり二万三千円以上も軽減したという報告もあります(太洋村プロジェクト)。

 現在多くの地域で転倒予防教室が開催されています。是非転倒しないうちに参加していただきたいものです。また、上記したように、少しの環境への注意、トレーニングで転倒を予防することができ、健康な生活が送れます。参考にしていただければ幸いです。

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岩田 清治 校長
お答えします

岩田 清治 校長
Kiyoharu Iwata
  • 朝日リハビリテーション専門学校校長
  • (社) 日本理学療法士協会 代議員
  • (社) 岡山県理学療法士会 会長

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