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ヒアルロン酸はもともと膝関節の中にある物質ですが、オイルのような潤滑機能とゴムのようなクッション機能を持っています。その他にも炎症を抑え膝痛を緩和する薬理作用があるとされています。ヒアルロン酸は加齢や関節症の進行に伴い減少することが知られており、最近は関節内注入で補うということが一般的になってきました。健康食品・サプリメントとしてヒアルロン酸の経口摂取を謳った商品が存在しますが、経口摂取によって軟骨に補充されるという考えは生化学者の大半が否定しています。ヒアルロン酸を補うためには整形外科を受診して関節内注入を受けるしかありません。もともと膝関節にある物質を補充するだけですので副作用が少ないことが非常に良いところです。
病院で使用されるヒアルロン酸の注射は平均分子量50〜120万のものと平均分子量150〜390万のものがあります。これらは1週間毎に連続5回注射し、その後維持投与する場合もあります。昨年12月にヒアルロン酸架橋体製剤という新しいヒアルロン酸が発売されましたが、これは従来のヒアルロン酸を架橋・高分子化(分子量約600万)したものです。
使用法は1週間毎に連続3回注射して終了で、それ以降維持投与することはありません。
ヒアルロン酸の潤滑機能・クッション機能は分子量が大きいほど強くなります。また、分子量が大きいほど吸収されにくいので膝関節の中に留まる時間が長くなります。その意味からはヒアルロン酸架橋体製剤の効果が最も長期間持続すると期待されます。しかし比較的高価であることと、連続3回注射した後は膝関節痛が残っても数ヶ月間はヒアルロン酸の注射が認められないという健康保険上の縛りがあることが問題です。どのヒアルロン酸を使用してもそれぞれ一長一短がありますので、整形外科の先生とよく相談することが大事です。
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