過去一年間を振り返って、転倒した、あるいは転倒しそうになった経験をした人は多いと思います。
多くは、転倒に注意して普通の生活に戻りますが、中には骨折など大きな外傷を負わなくても、歩くことに対して恐怖心や不安感を持ち歩こうとしなくなる人がいます。
これを転倒後症候群といいます。
年齢が高くなるにしたがい、また、要支援・要介護度が増すにしたがいこの傾向は大きくなります。
日常の活動量が減少すると、いわゆる廃用症候群を引き起こし、最終的には寝たきりになってしまうケースもあります。
なかには、ご家族が「危ないから歩かないように」と注意することから日常の活動量が減少し、結果廃用症候群に陥るケースもあります。
廃用症候群とは、強制的安静(たとえばギブス固定)、非強制的安静(たとえば転倒後症候群)により、身体的にも精神的にもあらゆる面で悪影響を及ぼす症候群のことです。
筋・骨格系(筋委縮、筋力低下、筋持久力低下、骨粗鬆症、他)、心・血管系(起立性低血圧、静脈血栓症、心予備力低下、他)、呼吸器系(沈下性肺炎、肺予備力低下、他)、精神・心理系(認知症化、うつ傾向、他)、その他尿路系疾患や消化器系疾患、褥瘡(床ずれ)他色々な疾患を合併してしまいます。
「安静」「心身機能の低下(廃用症候群)」「日常生活活動の低下」が悪循環を形成し、最悪の場合寝たきりになってしまうケースもあります。

よくご年配の方から「転んだら最後だから」という言葉を聞きます。転倒に対して恐怖心を持っているが故の言葉だと思います。
また、
一度転倒を経験した高齢者の再転倒率は高いという結果もでています。
慎重になることは良いことですが、大切なことは、どうしたら転倒しないか対策を考えて、日々活動的に元気に暮らすことではないでしょうか。
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