毎年、お盆の終わり頃になると、体がだるく力がでない、微熱が続く、食欲がないなど、夏バテの症状を訴えて来院されるお年寄りが増えます。
夏バテは日本のような高温多湿の気候で起こりやすく、軽い発汗が持続することで少しずつ水分と塩分が失われていく「慢性型の熱中症」なのです。
また、高齢になると気温の変化や水分不足などの感覚が低下し、汗をかいても喉の渇きを感じにくくなるため、若い人にくらべて熱中症にかかりやすい傾向があります。
気がついたときには脱水症で意識がもうろうとしているなど、すでに重症化してしまっているケースもみられます。
このように、お年寄りの熱中症は、自覚症状がないまま生命にも関わりかねないことがあります。
熱中症予防を習慣づけるよう心がけましょう。
予防の基本は、「定期的な水分補給」と「暑さを避けること」ですが、普段の生活から見直すことが必要です。(厚生労働省「熱中症予防リーフレット」より抜粋)
- 1、こまめな水分・塩分補給
・のどの渇きを感じなくてもこまめに水分補給
- 2、熱中症になりにくい室内環境
・扇風機やエアコンを使った温度調整
・室温が上がりにくい環境の確保
※換気、遮光カーテン、すだれ、打ち水など
- 3、体調に合わせた取り組み
・こまめな体温測定
・通気性の良い、吸湿・速乾の衣服着用
・保冷剤、氷、冷たいタオルなどによる体の冷却
- 4、外出時の準備
・日傘や帽子の着用
・日陰の利用、こまめな休憩
・通気性の良い、吸湿・速乾の衣服着用
熱中症は真夏に起こるイメージがありますが、体が暑さに順応できていない初夏にも注意が必要です。
また、最近は暑くてもエアコンをつけず、室内で熱中症に陥ってしまうこともあるようです。
熱中症の疑いがある場合は、まず涼しい場所へ運び、衣服を脱がせて脇の下や脚の付け根、首の周りを氷などで冷やし、水分・塩分を補給しましょう。
自力で水を飲めない場合や、意識がない場合は、直ちに救急隊を要請しましょう。
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