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骨粗鬆症の予防(1)~生活習慣改善による骨量維持の方法~

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骨量低下の予防と対策について教えてください。

 女性の骨量は成長に伴い増加し20歳頃にピークとなり、その後次第に減少し閉経期を迎えると急激に減少します。それは閉経により女性ホルモンの分泌量が減少することで骨量が低下してしまうからです。女性ホルモンには骨の溶かし過ぎを防ぐ作用があるので、それが減少することで骨吸収が進んでしまうのです。

 骨粗鬆症を予防する最も効果的な方法は、20歳頃のピーク時の骨量をできるだけ増やしておくことです。ピーク時の骨量が十分あれば多少減っても生涯十分な骨強度を保つことができるというわけです。しかし、それは女子中学生には可能ですが、タイムマシンでもない限り過去に戻って骨量を増やすことなどできません。それではもう手遅れだと諦めるべきなのでしょうか。そんなことはありません。科学の進歩は目を見張るものがあり、特に新薬の開発は日進月歩です。一昔前は骨量が低下せずに維持できれば薬は効いたと言われていました。最近は骨量を維持するだけでなく増加させる薬がたくさん登場してきています。1ヶ月に1錠飲むだけで骨量が増加するという新薬もあります。

 骨粗鬆症の患者数は現在我が国において1000万人以上と推定されています。人口の超高齢化に伴い、ますます増加することが予想されます。骨粗鬆症が進行すると、転倒骨折のリスクが高まります。高齢者の骨折は寝たきりの原因となることがあり、健康で長生きするためには骨粗鬆症を予防することが必要になってきます。

日光浴|散歩|運動  そのためには薬物治療だけではなく、骨を強くする生活習慣を身につけることが重要です。具体的には適正量のカルシウムを食事で取り、散歩などの運動を行い骨に刺激を与えます。また日光浴は、紫外線があたることにより皮膚でビタミンDを産生してカルシウムの吸収を助けますので、屋外での散歩は一石二鳥といえます。このような良い生活習慣は骨だけに効くのではなく、脳卒中や心臓病の予防にもつながります。

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お答えします

河村 顕治 先生
Kenji Kawamura
  • 吉備国際大学大学院保健科学研究科教授
  • 岡山大学医学部卒業
  • 医学博士
  • 日本リハビリテーション医学会専門医
  • 日本整形外科学会専門医

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