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関節痛の基礎知識(3)~膝の水を抜いても癖にはならない~

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主治医の先生は膝に水がたまると太い注射針を刺して抜きますが、
水を抜くとくせになるのではありませんか?

 多くの患者さんは、膝の水を抜くとくせになると心配します。水は抜くからたまるのではなくて、膝の炎症が持続しているからたまるのです。膝に炎症が起きている時は、毎週のように水を抜いてもまたすぐにたまります。そのため一見くせになるように思えるのですが、膝の炎症が落ち着くと自然に水はたまらなくなります。むしろ膝に水がたまったのを抜かずに我慢する方が、膝に対しては悪い影響を与えます。水がたまった状況で膝を曲げると、膝が突っ張ったようになり関節に負荷をかけることになるのです。

ひざの痛み  また、水がたまったままヒアルロン酸の注射をすると、せっかくのヒアルロン酸が薄まってしまい効果が落ちてしまいます。もう一つの効果としては、たまった水を抜くと関節液の状態を観察することもできて、原因となった病気を診断する助けにもなります。
ひどく液が濁っている時は変形性膝関節症ではなくて、痛風などが原因となっていることもあります。

 ただ、水を抜くことには一つ大きな問題があります。それはヒアルロン酸を注射する時に使う針よりも少し太い注射針を使うということです。水を抜く時には針がつまらないようにどうしても太い針を使わざるを得ません。でも、針を刺して水を抜いても針は刺したまま残してヒアルロン酸の注射をしますので2回針を刺すことはありません。

 膝の注射についてよく患者さんから質問されることがもう一つあります。それは「膝の内側が痛いのになぜ先生は外側に注射するのですか。」という質問です。膝関節は一つの袋のような構造をしていますから、針を刺すのにあまり痛くない外側から注射するのです。膝の内側には神経がたくさんありますから刺すとものすごく痛いのです。針を刺されるのは誰でもいやですから、少しでも痛くないように医師はいろいろと努力しているのです。

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お答えします

河村 顕治 先生
Kenji Kawamura
  • 吉備国際大学大学院保健科学研究科教授
  • 岡山大学医学部卒業
  • 医学博士
  • 日本リハビリテーション医学会専門医
  • 日本整形外科学会専門医

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