知っておきたい!対処方法~前十字靱帯損傷編~

前十字靱帯損傷のリハビリテーション

「前十字靱帯(膝)」を損傷した場合、治療せずに運動を続けていると、膝の他の組織を傷つけることになるので、早期に治療を受けてください。

前十字靱帯損傷編

(4)術後のリハビリテーション(手術~術後2ヶ月)

やがて膝の内部で起こっている炎症は落ち着いてきます。そうなると、まず目指されるのが日常生活の動作の獲得です。
この時期、まだ靭帯は非常に弱いことはお分かりになると思います。
膝の中では、新しく再建した靭帯が一度壊死(えし)して、周囲から血行の再建が行われるからで、この時期に無理をすると、再び靱帯がのびてしまいます。ですので、日常生活やトレーニングを行う場合は、再建した靭帯にできるだけストレスをかけないように細心の注意を払わなくてはいけません。

術後のリハビリテーション(手術~術後2ヶ月)

再建した靭帯に負担がかからないような姿勢で筋力訓練していきます。必ず担当の理学療法士に従ってください。膝関節を動かす際に重要な役割を担っているお皿(膝蓋骨)の動きを制御している大腿四頭筋の内側広筋斜走線維などを動かすトレーニングが行われます。

なお、術前や術後のトレーニングを行う前には、理学療法士が定められた検査を実施する必要があります。
検査結果をもとに、より適切なリハビリメニューをその都度作成するため、常に状態を確認しながら行われためです。
前十字靱帯を損傷しやすい人の特徴がある程度把握できるようになってきています。例えば、既述しましたように男性より女性の方が多いことも、こうした検査で分かりました。また、関節がやわらかい人に多いことも分かっています。そして、ジャンプなどした際に着地時に膝が内側に入ってしまうことなどが大きな原因となることも分かりました。

こうして点を踏まえて、損傷前よりもより強い身体づくりを行うトレーニングメニューが作成されます。

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「術後中のリハビリテーション(術後3~6ヶ月)」

前十字靱帯損傷編 ― 前十字靱帯損傷のリハビリテーション ―

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執筆者の紹介

中山 寛 氏

中山 寛 氏

兵庫医科大学  整形外科 助教

昭和52年生まれ

医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本体育協会認定スポーツ医専門はスポーツ整形外科、下肢関節鏡手術(股関節、膝関節、足関節)
前十字靭帯再建術は解剖学的2重束再建を行なっている。