第15回 電気刺激や磁気刺激など最新のリハビリテーションを提供
同科の特徴について正門先生は、「例えば、救命救急センターに理学療法士を配置していることで分かるように、患者さんの病状に悪い影響を与えない限り、非常に早期からリハビリテーションにとりかかれるような体制を整えていることです。もちろん、十分に安定していない全身状態を考慮して、リスク管理は万全にしていることが大前提です」と説明されます。
できるだけ早くからリハビリテーションを行うのは、廃用症候群の予防や床ずれの回避のためであることに加え、早期離床や機能回復に大きな差が出ることが分かっているためということです。
さらに、「運動療法や装具療法が基本になりますが、より機能の回復を図るために効果があると言われているボツリヌス療法や電気刺激、磁気刺激といった最新の治療法も積極的に取り入れています。また、それらを組み合わせることで、失われた機能の回復が見られるようになった症例もあります。」と言われます。
実際、広いリハビリテーションセンターを埋め尽くすように置かれた各種の専門器具や機器を利用し、多数の患者さんがリハビリテーションに励んでいらっしゃる姿が見られました。
正門 由久 氏
東海大学医学部・
リハビリテーション科
教授
リハビリテーション医学会専門医、指導医、認定臨床医 |
日本臨床神経生理学会認定医(神経伝導・筋電図、脳波) |
米国神経筋電気診断医学会(専門医、正会員) |
<専門>
リハビリテーション医学、臨床神経生理学 |
<経歴>
慶應義塾大学医学部 昭和57年卒 |
<学会役職など>
日本リハビリテーション医学会(理事・代議員) |
日本臨床神経生理学会(理事・代議員)、 執行委員会、筋・末梢神経電気診断技術向上委員会、 教育委員会(委員長)、試験認定委員会、編集委員会 |
第47回日本臨床神経生理学会学術大会会長(2019年、横浜) | 日本脳卒中学会(編集委員会) |
日本高次脳機能障害学会(評議員) |
日本義肢装具学会(評議員) |
日本末梢神経学会(評議員) |
日本ボツリヌス治療学会(理事)など |
東海大学医学部・リハビリテーション科
〒259-1143
神奈川県伊勢原市下糟屋143
tel:0463-93-1121(代)
http://reha.med.u-tokai.ac.jp/index.html
<特徴>
現在、日本で最も新しい昭和49年にできた東海大学医学部は、在学中はもちろん、卒後教育にも力を注いでいることで知られています。昭和61年に設立されたリハビリテーション科は、さらに新しい科で、同年から整形外科・神経内科・循環器内科を含む複数科のローテーションを行う初期臨床研修を始めるなど、自由でフランクにものが言える雰囲気の科だそうです。