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第9回 多機能のケアミックス型病院

リハビリテーションの現場から
~医療法人社団三喜会 鶴巻温泉病院
(神奈川県秦野市)~

医療法人社団三喜会
鶴巻温泉病院
院長 鈴木龍太 氏
患者の個別性を重視し、チームで連携

オープンな環境のスタッフルーム
オープンな環境のスタッフルーム

同院のリハビリは「患者さんの個別性を最重視した治療」がモットーです。入院初日から患者さんは、医師、歯科医師、看護師、介護福祉士、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカー、管理栄養士、ケアマネージャー、事務職など多様な専門職と関わりながら、個別の最適なプランを決定することができます。

そのプランは詳細です。患者さんの身体機能・筋力や四肢の状態はもちろんのこと、摂食・嚥下障害の度合い、口腔ケアまでを総合的に判断します。そこで要望などもでき、本人の症状、目的などに合った固有のプランが実行されるのです。

プランが決まれば、リハビリは入院中の365日、日曜、祝日も実施されます。少しでも機能を落とさない工夫です。そのために必要なのは専門家チームの連携。病院側は、医師のカンファレンス(病状の説明・会議)に基づきながら、記録はもちろん、口頭での仔細な引き継ぎを心がけているといいます。

回復期リハビリの専門家・副院長の今西剛史氏はこう説明します。「私どもの病棟では、『ナースステーション』でなく『チームステーション』という言葉を使っています。医療もコミュニケーションが大切。『あの患者様のこと、書いておきました』ではなく、きちんと顔と声で伝え合いながらの連携が一番と考えています」

リハビリテーション部の木村副部長
リハビリテーション部の木村副部長

リハビリ部副部長の木村達(いたる)氏(作業療法士)はこういった工夫も語ります。

「リハビリ部のスタッフ室は担当病棟ごとに大きなデスクを置き、職種関係なく座り、作業しています。これは、意思疎通のため重要で、担当の患者様のことを話し合うことが多くなります。そのようにしてスタッフ同士の小さいカンファレンスを常日頃行っているのです」

(取材・文:山辺健史)

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先生の紹介

鈴木 龍太 氏

鈴木 龍太 氏

医療法人社団三喜会
鶴巻温泉病院 院長

<経歴>

1977年、東京医科歯科大学医学部卒業。
米国 National Institutes of Health (NIH) NINCDS Visiting fellow、東京医科歯科大学脳神経外科助手、昭和大学藤が丘病院脳神経外科准教授、昭和大学藤が丘病院医療の質・安全管理室室長(兼任)を経て、2009年6月に医療法人社団三喜会鶴巻温泉病院副院長、同9月から院長。
日本リハビリテーション医学会指導責任者、日本慢性期医療協会理事、日本リハビリテーション病院・施設協会理事。
病院の紹介

医療法人社団三喜会
鶴巻温泉病院

〒257-0001
神奈川県秦野市鶴巻北1-16-1
tel:0463-78-1311
http://www.sankikai.or.jp/tsurumaki/

<特徴>
回復期リハビリテーションの患者さんの入院が中心。回復期リハビリ病棟の他、介護療養、医療療養病棟と神経難病リハビリセンター、緩和ケア病棟も併設。回復期リハビリを含めた、多機能のケアミックス型病院として運営しています。