第9回 多機能のケアミックス型病院
鶴巻温泉病院
リハビリについて語る鈴木院長
神奈川県の湘南地区・秦野市にある鶴巻温泉病院は、1979年の開院。入院患者は他の病院からの紹介が全てで、近辺の平塚市、伊勢原市を始め、横浜市、鎌倉市、川崎市、東京などから年間1200人ほどを受け入れています。
同院は、回復期リハビリテーションの患者さんの入院を中心としており、591床の病床のうち回復期リハビリ病棟が206床で、入院患者の6割を占めます。また、他に介護療養、医療療養病棟と神経難病リハビリセンター、緩和ケア病棟も併設。回復期リハビリを含めた、多機能のケアミックス型病院として運営されています。
鈴木龍太院長は同院の地域における役割を考慮して「重症の患者さんも断らずに頑張って受けています」と説明します。「全国の病院の入院患者のFIM(機能的自立度評価表)値は平均60ですが、同院の平均は48です。数軒めに当院にたどり着き、やっと入院していただける、といった患者さんもいらっしゃいます」
同院の入院患者の傷病の7割は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血です。また、入院患者の平均年齢は全病棟で77才、回復期リハビリだけでも75.8才と、高齢患者が多いことも特徴のひとつです。
そういった患者さんのケアを受けもつのは、総勢769人のスタッフです。医師24人、看護師226人の他、介護福祉士や薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、ソーシャルワーカーも常駐。特にリハビリ担当は225人という充実ぶり(理学療法士106人・作業療法士65人・言語聴覚士40人・レクリエーショントレーナー15人)で、多種なリハビリ内容に対応しています。それら手厚いスタッフ層が、重症患者が多い現状でも在宅復帰率70%という結果を可能にしている所以なのです。
(取材・文:山辺健史)
鈴木 龍太 氏
医療法人社団三喜会
鶴巻温泉病院 院長
<経歴>
1977年、東京医科歯科大学医学部卒業。医療法人社団三喜会
鶴巻温泉病院
〒257-0001
神奈川県秦野市鶴巻北1-16-1
tel:0463-78-1311
http://www.sankikai.or.jp/tsurumaki/
<特徴>
回復期リハビリテーションの患者さんの入院が中心。回復期リハビリ病棟の他、介護療養、医療療養病棟と神経難病リハビリセンター、緩和ケア病棟も併設。回復期リハビリを含めた、多機能のケアミックス型病院として運営しています。