第4回
石川理事長の想い
石川理事長は高齢社会を迎えるにあたって、これからの医療では自身が力を注いできた「回復期でのリハビリテーション」に加えて、「維持期でのリハビリテーション」も重視していく必要があると語ります。若者であれば、回復期で適切なリハビリを経れば身体機能も大きく回復し、「以前と変わらない」生活を送ることも望めますが、高齢者はそうはいかないケースも増えてきます。
その時に必要になるのが、回復期の治療を終えた後でのリハビリ、すなわち「維持期でのリハビリテーション」であり、ある程度の障害を抱えたままでも生活を送るためのリハビリが今後は求められるというのです。
そのためには他ならぬ医療提供者自身も考え方を改めて行く必要があると、石川理事長は言います。「これまでの医療はどうしても『全快』をゴールに設定していましたが、高齢者はそうはいかないこともあります。たとえ全快は難しくても、生活を送るのに支障のないゴールを本人と確認しながら設定していく姿勢が求められます」
現在、団塊世代が75歳以上を迎える2025年を念頭に、医療、介護、福祉などあらゆる社会保障政策が立てられていますが、石川理事長はさらに「その先」を見据えています。「高齢社会はいずれ終焉します。その時にリハビリテーションの役割は終わるかと言ったら、決してそんなことはありません。先天性の障害を持っている人や一生涯、ハンデを背負った人でも、その人らしく、安心して、自信を持って暮らせるためのお手伝いをする。これがリハビリテーションに本来求められる役割です。高齢社会への対応はその一里塚。リハビリが必要な人に必要なリハビリを提供できるか、試されているのだと思っています」
(取材・編集:リハビリネット編集部)
石川 誠 氏
<医療法人社団輝生会
初台リハビリテーション病院 理事長・院長>
全国回復期リハビリテーション病棟協議会理事長
医療法人社団輝生会
初台リハビリテーション病院
〒151-0071
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tel:03-5365-8500
http://www.hatsudai-reha.or.jp
<特徴>
急性期病院から発症後1カ月以内に患者を受け入れ、住み慣れた地域や自宅で輝いて生活してもらうために、十分な回復期のリハビリテーション医療を提供しています。