世界的に人気の高い「ノルディック・ウォーク」ですが、その秘密は二足歩行から四足歩行になる動きにあります。
生物は、もともと四足歩行が基本です。人間も、かつては、木の上で暮らす四足歩行の動物だったのですが、何らかの事情で地上に降り立たざるを得なくなり、その結果、移動に適し、また遠くの敵を視界に捉えることができる二足歩行を行うようになったのです。
その結果、『直立二足歩行』ができる身体となり、手が自由に使えるようになって、さらに脳も発達したことで、文明を生み出すことができました。
しかし、手にストックを持つことで、足と同じように推進力とすることができます。
その結果、立ちながらも生物としての原点である四足歩行することができるようになり、本来、持っていた生物の動きを蘇らせることができるわけです。
具体的には、なまこなどヒレ(腕)が無い魚が胴体をくねらせることで移動するように、生物本来の移動方法である体幹の動きが蘇ります。そして、体幹が活動的になることにより、自然と姿勢が良くなり、圧迫されていた胸が開放されて呼吸がしやすくなります。
さらに足の動きは歩幅が広がってダイナミックになるといったように、歩き方そのものが、大きく変化するようになります。
つまり、人が生物として本来、持っている力を蘇らせることができるわけです。
そしてノルディック・ウォークは、両手と両足を使う全身運動ということから、エネルギー消費量は、普通のウォーキングと比較してエネルギー消費量は10%以上増えます。
さらに、全身の90%近い筋肉を使用する動きをするため、5~10分ほどの短時間でも運動効果が高くなります。
その結果、体重や腹囲などの減少にも繋がり、さらに両手を大きく降るため心拍数も増加しやすくなるため呼吸循環機能を向上させることになるなど、生活習慣病の予防にも効果的だと言われています。