高位脛骨骨切り術の手術に限らず、変形性膝関節症を治療した後のリハビリテーションの中心は運動療法となります。
運動療法は、その名の通り、身体を動かすことの主眼を置いた療法で、膝関節の場合は、膝関節を支える筋肉(大腿四頭筋)を鍛える運動療法が行われます。筋力のアップを図るため、「膝関節を支える筋肉を鍛える体操」と「膝関節の動く範囲を広げるストレッチング」がリハビリテーションの中心となります。
運動療法は、膝関節を支える筋肉を鍛えて、制限された膝の可動域を広げることが目的ですが、それ以外にも、運動することで体重を落として、膝関節への負担を減らし、膝痛・関節痛を軽減させることも目的になっています。動かないことや体重が増えることは、全身の健康にも影響しまうからです。
なお、「高位脛骨骨切り術」は、基本的に関節が温存でき、荷重軸を移動させる手術であることから、病状の改善は図れます。しかし、変形した関節は、完全に治っているわけではありませんから、術後も注意が必要です。
ただし、骨切り部の骨が癒合し、筋力が増強されて安定性が得られる手術であることは確かですから、術後、4~6ヵ月ほどすれば、手術の効果が十分に感じられるようになるはずです。より効果を実感するためにも、自らも体重を増加させないように心がけ、また無理な動作を避けるようにするなど、気を付けるようにしましょう。