「高位脛骨骨切り術」は、他の章で紹介しましたように、多くのメリットがある手術ですが、そのまま何もしなければ回復には時間がかかります。そのため、1日でも早い回復を実現するために、術前と術後のリハビリテーションを行うわけです。膝に限りませんが、人間の身体は休んだままの状態でいると、せっかく手術をしても、筋肉などは、どんどん弱くなってしまうため、それだけ回復が遅くなるからです。
「高位脛骨骨切り術」の術後リハビリテーションは、可能な限り早くから脚を動かす訓練から始められることは(1)で紹介しました。
その後、術後の経過が良く、起き上がったり、立ち上がったりできるようになったら、次に松葉杖での歩行訓練を行います。それを経て、術後の回復が順調のであれば1週間ほどすると膝に体重をかけることを意識した訓練を行い、それに慣れてくると3~4週間で杖なし歩行の練習に入ります。
一般的に入院期間は約3週間程度です。ですから、その期間内に、松葉杖歩行や膝屈曲120°を目指したリハビリテーションを行いますが、それで必ずしも終わりではありません。退院してからも、定期的に通院してリハビリテーションをする場合もあります。