知っておきたい!対処方法
~膝の手術後のリハビリテーション~

高位脛骨骨切り術のリハビリテーション

O脚を原因とする膝の変形を改善する手術

膝の手術後のリハビリテーション編

(1)リハビリテーションの流れ

高位脛骨骨切り術(HTO手術)を行うことが決まったならば、手術までの間、術後の膝関節の回復を良くするために、通院しながら術前のリハビリテーションを行います。

術前のリハビリテーションは、現在の筋力について調べることから始まります。筋力は、足の曲げ伸ばし力を測る(WBI)装置を使って測定しています。そして、自身の筋力に合わせた膝関節の可動域訓練や筋力訓練を行う他、手術後に自宅に戻ってから行うリハビリテーションの仕方の指導などもします。

かつて、膝の手術をした後は、なるべく動かさずに安静にしているのが一般的でしたが、今は違います。術後翌日からリハビリテーションを開始します。

術後すぐのリハビリテーションですが、まず起立訓練や関節の曲げ伸ばし訓練などを行います。これは、ひざ関節の周囲の筋肉を強化することでバランスや可動域を回復させることを目的にして行うものです。やがて、無理なく膝の曲げ伸ばしができるようになれば、次に松葉杖を使った歩行訓練を行います。

ただしリハビリテーションは、自己流でしたりしたならば、逆に症状を悪化させる可能性があります。ですから、必ず医師や理学療法士の指導の下、痛みの程度を図りながら行う必要があります。なお病院では、リハビリテーションは専用のリハビリテーション室でしますが、自分の病室に戻ってからも、例えば、10㎏前後の荷重をかけた松葉杖を用いた歩行訓練などを行う場合もあります。

その他、リハビリテーションをした後、膝が膨らんだり、熱をもったりすることもあるため、それに対応して、患部を冷やす「アイシング」の指導なども行います。

膝の運動の図

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膝の手術後のリハビリテーション編
― 高位脛骨骨切り術のリハビリテーション ―

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監修

中山 寛 氏

中山 寛 氏

<整形外科医>
兵庫医科大学
整形外科 助教

昭和52年生まれ

医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本体育協会認定スポーツ医、専門はスポーツ整形外科、下肢関節鏡手術(股関節、膝関節、足関節)。