現在では、疾病や障害の治療はもちろん、生活の再建や社会への参加、そして『普通の生活が出来る』ということによる精神的な面に関しても、失った機能を少しでもとり戻すためのリハビリテーションの重要さが認識されるようになってきています。
変形性膝関節症の場合もリハビリテーションをすることが大切です。具体的には、ひざの曲げ伸ばしの角度の回復(可動域訓練)に加えて、膝を支える筋力を回復する筋力訓練などがリハビリテーションとして行われます。
関節の可動性と支持性は日常生活を送る上で欠かせない能力であり、それらを回復させるリハビリテーションは変形性膝関節症の治療はもちろんのこと、実は予防法としても大変重要なため、特に高齢者などは、発症する前から意識して訓練することをお勧めします。
可動性の回復、いわゆる「可動域訓練」と呼ばれるリハビリテーションは、変形性膝関節症によって関節の動きが悪くなったり、動く範囲が狭くなったりした際に、その動きの改善や動きの範囲を広くすることを目的に行うものです。
なお、ひざの曲げ伸ばしの訓練は、痛みを和らげるためにひざを温めることが大切です。そのためお風呂の中でやると楽です。また、約10分間、蒸しタオルを膝に当てたりするだけでも効果が期待できます。
一方、支持性を回復するのが「筋力訓練」です。変形性膝関節症の症状を和らげるため、ひざ関節を支える力を強くするため太ももやひざの周りの筋肉を鍛えることが重用になります。その他、膝への負担が少ない水中歩行などもお勧めです。