人の身体を造っている骨や軟骨、筋肉といった各組織は、普通は30歳を過ぎたあたりから、徐々に衰えが始まります。
(1)でも触れましたが、関節がスムーズに動くのは、それぞれの骨と骨がぶつからないように、その間に軟骨があるからです。関節を動かすのに大切な役割をしている、その軟骨ですが、年齢を重ねると、車のタイヤが走ると、じょじょに溝が無くなっていくように、だんだんすり減っていきます。さらに、無理な動きをしたり、あるいはケガをしたりするなどの原因によって、すり減ったりしてくる場合もあります。
軟骨が減ってくると、階段の上り下りや長時間の立ち仕事など膝に負担がかかるような動きをすると、痛みを感じるようになります。さらに症状が進むと、正座をしただけで痛みを感じたり、少し休むぐらいでは痛みが引かなくなったりします。そして最終的には、脚がO脚やX脚などに変形し、さらに悪化すると、痛みのために歩いたり出来なくなってしまうことになります。
こういう症状を「変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)」と言います。ちなみに、加齢などを原因とするものを一次性の変形性膝関節症、骨折や靱帯・半月板損傷、化膿性関節炎などを感染したりした人などの後遺症などで起こるものを二次性変形性膝関節症と言います。