知っておきたい!対処方法~変形性膝関節症編~

変形性膝関節症のリハビリテーション

変形性膝関節症は、歩く際に膝に痛みを感じ、最悪の場合は歩行困難になることもある病気です。

変形性膝関節症編

(3)歩くときの注意

歩くことは有酸素運動としては効果的ですが、膝の痛みがあるのに無理に歩いたほうがいいという間違った考えを持たれている方が多いのが現状です。

確かに歩くことは、特別な道具もいりませんし、いつでも誰でもできるので治療の中心になっています。しかし、より効果を得るためには、歩く際に注意する必要なことがいくつかあります。

膝の痛みが強い場合には逆効果になります。減った軟骨の膝を余計にこすって痛みを助長させることになります。
痛みが強い場合は、先に筋力をつけることが優先されます。筋力をつけることで、すり減った軟骨の負担を減らします。

まず、漫然と歩くのではなく、運動効果を得るための治療の一環であると自覚を持ち、目的意識を持って歩く必要があります。ですから、歩く際には、あごを引いて胸を張って、腕を大きく振りながら、広めの歩幅で、足を出す時には後ろ足を強くけり出すように心がけてください。
また、できるだけリズミカルに歩くようにもしましょう。

また時間と回数ですが、少し息が上がるぐらいのペースで、1日20~30分ほど外を歩くようにするのがいいでしょう。
できれば週3回程度は行うことをお勧めします。

水分補給

ただし、継続することが大切ですから、歩く際には十分な水分補給をして、また春から夏にかけては紫外線対策にも気をつかう必要があります。
また、もし膝の痛みがひどくなったり、心臓に負担がかかるようでしたら、間を置いたりするなど、“細く長く”続けるための配慮は忘れないようにしてください。

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監修

中山 寛 氏

中山 寛 氏

兵庫医科大学  整形外科 助教

昭和52年生まれ

医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本体育協会認定スポーツ医、専門はスポーツ整形外科、下肢関節鏡手術(股関節、膝関節、足関節)。