具体的なリハビリ内容について説明します。
リハビリの内容には個人差があります。平行棒での立ち上がりや歩行訓練は、痛みの程度、医学的な荷重制限の程度(どこまで体重をかけてよいのか)を考慮して、少しずつ進められます。もちろん手術後の定期的な診察により予定が早くなったり遅くなったりすることはあります。
また、関節周囲の靭帯や筋肉が固く(拘縮)なっていますので、まず関節の動きを良くする運動からリハビリテーションは始まります。ときには理学療法士による徒手的なマッサージや、ホットパック、超音波などを使用した物理療法も併用されます。
こうして関節の柔軟性が戻ってきたら、次は筋力訓練にもとりかかります(これらは平行して行われます)。主に、立つのに必要な大きな筋肉群(大腿四頭筋、腸腰筋、臀筋群)を中心に訓練します。具体的には、まず仰向けに寝て、膝をぐっと伸ばし続けたり、膝を伸ばした状態で足全体を上げたり、お尻の持ち上げをしたり、座った状態で膝を伸ばしたりして、筋力を取り戻す訓練を行います。
なお、リハビリテーション科がある病院なら、専用の部屋もあって、リハビリテーションはそこで行いますが、できればベッドに戻られてからも、ベッドサイドで自分でも行うように心掛けると、なお効果があります。
なお、これらの訓練は理学療法士や作業療法士が担当しますので、本人はもちろん、介護される方などで、何か疑問点などがあれば、遠慮なくお問い合わせください。
福井智一氏
医療法人医誠会
医誠会病院
整形外科