知っておきたい!対処方法
~脳梗塞のリハビリテーション~

脳梗塞のリハビリテーションのやり方

新しいリハビリテーションにより機能の回復も期待できるように

脳梗塞のリハビリテーション編

(3)回復期のリハビリテーション

急性期を経て 1週間~3週間後に病状がある程度安定してきた『回復期』に行うのが「回復期リハビリテーション」です。なお、多くの場合、入院した病院ではなく、リハビリテーション専門の訓練室や専門病院などに転院して行われます。

具体的な方法としては、理学療法、作業療法、言語聴覚療法が行われます。

運動障害に関しては、歩行訓練や作業療法のリハビリテーションを行います。歩行訓練は、その名の通りに、まず立つことから始め、その後、杖や装具などを用いることで『歩く』訓練を行うリハビリテーションです。患者は、手すりにつかまったり、歩行器や、杖を使ったり、誰かに補助してもらったりして歩行します。

一方、作業療法は、日常の生活を取り戻す上で、必要とされる『作業』を訓練するリハビリテーションです。

具体的には、指を動かしたり、物を掴んだりすることなどから始まります。また、それと並行して、身の回りの動作ができるように、ベッドから車椅子への移乗する訓練などもします。

これらができるようになったら、次は洗顔や歯磨き、トイレ動作、着替え、入浴、文字を書く訓練などをします。

また、脳の言語を支配している領域(左半球)に損傷を受けた人で、上手く言葉がしゃべれない人(言語障害がみられる場合)には、言語聴覚士がリハビリテーションを行います。ただし、一口に言語障害と言いますが、大きく「失語症」と「構音障害」に分けられ、それぞれのリハビリテーションは異なります。いずれにしても、自分の伝えたいことを声にする訓練が行われます。

この他にも回復期には、先程紹介した最新のCI療法や磁気刺激、随意運動介助型電気刺激装置「IVES(アイビス)」を使い、より高度な機能の回復を図るリハビリテーションも行われます。

リハビリテーションの図 リハビリテーションの図



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脳梗塞のリハビリテーション編
― 脳梗塞のリハビリテーションのやり方―

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監修

正門 由久 氏

正門 由久 氏

<リハビリテーション科専門医>
東海大学医学部 専門診療学系 リハビリテーション科学 教授

昭和31年生まれ

昭和57年慶應義塾大学医学部卒業
リハビリテーション医学会専門医、
指導医、認定臨床医
日本臨床神経生理学会認定医
(神経伝導・筋電図、脳波)
米国神経筋電気診断医学会
(専門医、正会員)