知っておきたい!対処方法~脳卒中編~

救急搬送

脳卒中は、少しでも早く治療を受けると後遺症を軽くできるので、
救急搬送の大切さとリハビリテーションの重要さを知ってください。

(3)救急車が来るまでにしておくべきこと(その①)

脳卒中が疑われる患者が出た場合、基本は、できるだけ動かさずに、とにかく急いで救急車を呼ぶことです。では、救急車が到着するまで、周囲の人は何もせずにいればいいのかと言うと、そんなことはありません。患者が倒れるのは家の中とは限らないからです。
もし身近にいる人が急に倒れたりした時、まず大切なのは、落ち着いて行動することです。例えば交通量の多いところでしたら、ゆっくりと安全な場所に移動させてください。

また、夏など暑い時なら直射日光の当たる場所を避けて、安全で風通しの良い日影に移してください。その際、もし患者さんに意識があっても、自分で立たせると症状が悪化する危険性がありますから、動かないように言って、布団などに患者さんを乗せて周囲の人が運んでください。そして落ち着いたら、ベルトやネクタイ、服のボタンなど身体を締め付けているものを外し、さらに襟元などを緩めてあげましょう。眼鏡や入れ歯なども外しておくのもいいです。

もし吐き気を訴えたら、マヒがある側を上にして横向きに寝かせてあげるようにしましょう。そうすれば嘔吐物で気管を塞ぐこともありません。さらに、こうした症状を、受診先の医師などに説明するため、時間なども含めてメモをとっておくこともお勧めします。その他、呼吸が苦しそうな時でも、頭の下に枕をするのは止めてください。それよりも、巻いたタオルや座布団などを肩の下に入れて呼吸の道を確保してください。

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脳卒中編 ― 救急搬送 ―

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池永 透

池永 透 氏

畷生会脳神経外科病院
脳神経外科 部長

昭和42年大阪生まれ
大阪医科大学卒業
大学卒業後、大阪の救急医療で知られる多根総合病院勤務などを経て、2年半前から現職。