脳卒中の症状は様々ですが、大きく分けると、血液を脳へ送っている太い血管が詰まる「脳梗塞」と脳の中の細い血管が破れてしまう「脳出血」、脳の太い血管の一部がコブ状になっていてそれが破裂する「くも膜下出血」の3種類に分けられます。
どの症状も急に発生することが多いのですが、予兆もあります。最も多いのが、半身に力が入らず歩きにくいこと、また顔のどちらか半分や片手・片足が上手く動かなくなるなど、必ず身体の片方に異常が起こる症状です。その他、しゃべるとロレツがまわらなかったり、食事中に突然、箸を落としたりする場合もありますし、歩こうとしてもめまいが起こってバランスがとれず上手く歩けなかったり、急に頭が痛くなったり、意識がもうろうとしてくる、といった症状が出る場合もあります。特に「くも膜下出血」の場足は、激しい頭痛が起こる場合が多く見られます。
時によっては、片方の目が見えなくなったり、見えても視野が半分しかなかったり、話しかけても何を行っているか分からず、また、言いたいことが言えないなどの症状も起こります。
もし身近な人が、上記のような症状が出た場合は、まだ倒れたりしていなくても、すぐに救急車を手配して、専門の病院で診断を受け、治療を行ってください。
脳卒中は生命の危険があるのはもちろん、助かった場合でも、後の項で説明しているように治療が遅れれば遅れるほど後遺症が残る可能性が高まり、リハビリテーションも大変になるからです。
池永 透 氏
畷生会脳神経外科病院
脳神経外科 部長