東京都では、脳卒中が起こった時に、すぐに専門の医師に診てもらえるようにと「脳卒中急性期医療機関」を認定しています。これは、脳卒中が一刻を争う病気であるため、一刻も早くそこに搬送するためです。
脳卒中は、とにかく“救急”な病気ですから、「しばらく様子を見よう」などと考えず、もし同居している高齢な方などに(1)で紹介したような症状が見られた時は、直ちに救急車の手配をしてください。
なお電話した際には、一刻を争う状態であることを伝え、どこへ救急車を手配するのか正確に住所を伝えるのはもちろん、可能であれば、性別や年齢、そして意識の有無なども伝えるようにしてください。そうした情報がある方が、治療にも早くかかれる場合が多いからです。
ちなみに、症状が起こるまでは誰に脳卒中が起こるのかを予測することはできません。ですので、あらかじめ予防しておくことも大切です。
脳卒中の原因と考えられている、高血圧やコレステロールや中性脂肪の値が高いなどの脂質異常症、糖尿病などの症状がある人は、普段から食生活を見直したり、もし喫煙の習慣があれば禁煙したりしましょう。
池永 透 氏
畷生会脳神経外科病院
脳神経外科 部長