知っておきたい!対処方法~関節リウマチ編~

関節リウマチのリハビリテーションとは

関節に炎症が続いて徐々に破壊が進み、やがて機能障害を起こしてしまうのが「関節リウマチ」です。

関節リウマチ編

(4)炎症非活動期のリハビリテーション(その③)

前節(炎症非活動期のリハビリテーション(その②))で触れたように、日常生活動作を助けるために「自助具」を使うことも大切です。

そこで、それらの動作を助けるための道具、例えば、お箸で上手く食べ物をつまめない人には、柄の太いスプーンやフォークをお薦めします。スプーンの柄を太くするのは握りやすくするためです。スプーンの首の部分を曲げる、あるいは手前の壁が高くなったお皿を使って手前に引き寄せるように掬うと食べやすくなります。
その他、フォークで刺して食べられるような主食(一口大のおにぎり)やおかずの工夫も有効です。

また、ボタンが上手く止められない場合には「ボタンエイド」という道具を利用します。

一方、足関節痛や足の裏の痛み、足趾が変形していて歩くのに支障がある人には靴型装具(リウマチ靴)や足底板を用いますが、リウマチ靴を作製する場合、踏み返しが簡単にできるように靴底の形を変えるなど、細かいところにまで配慮する必要があります。

その他、歩くのを補助するものとしては、杖(リウマチ杖)もあります。一般的に杖は、足に何らかの障害を抱えている人にとって、歩く際に足にかかる力を減らす効果がある有効な補助用具です。

ただ、関節リウマチの場合は、手や指の痛み、変形で杖の持ち手を支持できなかったり、肘を伸ばすことができなかったりすることが多く、肘を曲げたまま前腕部分で体重を支えるための肘台がついた形状の杖(リウマチ杖あるいはロフストランド杖)が使われる場合もあります。

自助具(長柄のヘアブラシ、太柄のスプーン)

(文:繁原稔弘)

関節リウマチ編 ― 関節リウマチのリハビリテーションとは ―

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監修者の紹介

福井智一氏

福井智一氏

医療法人医誠会
医誠会病院
整形外科 部長

昭和51年大阪生まれ
兵庫医科大学卒業

兵庫医科大学大学院を卒業後、兵庫医科大学整形外科学教室や北海道我汝会えにわ病院などを経て2012年4月から現職。
専門は股関節を中心とした関節外科