知っておきたい!対処方法~関節リウマチ編~

関節リウマチのリハビリテーションとは

関節に炎症が続いて徐々に破壊が進み、やがて機能障害を起こしてしまうのが「関節リウマチ」です。

関節リウマチ編

(2)炎症活動期のリハビリテーション(その①)

リウマチの炎症活動期のハビリテーションは、痛みを抑えること、変形を予防することを目的に行います。
関節に無理な負担をかけずに、生活の中でできるだけ手足を使うことが基本になります。

痛みを和らげる膝装具

リハビリテーションを行う際には、炎症が原因で動かすと痛みがおこる場合、装具を作って関節を保護します。代表的なものに、手関節を固定するための装具や、体重がかかる時に痛みを和らげる膝装具や靴型装具、足底板、杖などの歩行補助具があります(詳しくは後述)。

ただ、固定してしまうと、生活するのに必要な関節が動く範囲を保つことができませんので、関節可動域を維持するためのリハビリテーションが必要となります。
朝のこわばりがとれてから、痛みが残らない程度に全身の関節の曲げ伸ばしを、1日2~3回は行ってください。

リハビリテーションは関節だけが対象ではなく、関節を動かす筋の筋力低下を防ぐためにも必要です。ただし、一般の人がするような筋力をつけるための運動は、関節を激しく動かすことが多く、無理に行うと関節を痛めてしまう可能性があるため別の方法を行います。

例えば、最も痛みを感じない位置で関節を動かさないように固定した状態で、曲げる方向や伸ばす方向に力を入れるように運動をします(これは筋肉の長さを変化させないので「等尺性収縮運動」といいます)。

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「炎症非活動期のリハビリテーション(その②)」

関節リウマチ編 ― 関節リウマチのリハビリテーションとは ―

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監修者の紹介

福井智一氏

福井智一氏

医療法人医誠会
医誠会病院
整形外科 部長

昭和51年大阪生まれ
兵庫医科大学卒業

兵庫医科大学大学院を卒業後、兵庫医科大学整形外科学教室や北海道我汝会えにわ病院などを経て2012年4月から現職。
専門は股関節を中心とした関節外科