寝た状態から座って脚を動かすことができるまで膝の状態が良くなった人は、椅子を使ったリハビリテーションに移ります。
まず、椅子を平らで滑りにくく安定した場所に置いて、それに腰掛けます。最初は浅く腰掛ける方が、負荷が少ないので意識して浅く座るようにします。
その状態で、椅子から落ちないように両手で椅子の縁を持ち、片方の脚は膝を曲げて床につけます。そして、もう一方の脚は足首を直角にキープした状態で伸ばしたまま、ゆっくりと床から10㎝ほど上げて止めます。そして10秒ほど、その状態を保ち、ゆっくり床に下ろしてください。そして10秒ほど休んだら、再び同じようにゆっくり脚を下げます。これを10回ほど、両脚共にやってください。
そして、この運動に慣れてきたら、負荷を上げるために、次は椅子に深く座って運動を行います。
具体的には、片方の足の膝の下に両手を入れて組み合わせ、膝を軽く持ち上げます。脚は意識して太股に力を入れ、さらに真っ直ぐに伸ばした状態にして約5秒間、その状態をキープし、その後、ゆっくりと脚を下ろします。これを両脚ともに10回繰り返します。なお、やる際には、腕の力で膝を持ち上げないようにすることと上半身の反動を利用しないように注意しましょう。
さらに、太ももの前側を意識しながら、ゆっくりと脚を真っ直ぐに伸ばして約10秒保ち、そして、ゆっくりと下ろす運動も「大腿四頭筋」を鍛えるのに役立ちます。この動作を両足共に20回ずつ行ってください。
その他、ゆっくりと脚をまっすぐになるまで伸ばして、太ももの内側を意識しながら、膝の内側を天井の方に向けるように捻り、その状態を10秒間キープし、その後、ゆっくりと下します。この動作を20回ずつ両脚でする運動も行います。