高位脛骨骨切り術の手術を行った後、杖の補助があれば歩けるようになるまで回復すると、退院となります。しかし、その後も資格を持った医師や理学療法士の指導の下、週に1~2回程度、通院して機能の回復のために運動療法を中心とするリハビリテーションを行います。ただし、自宅から手術した病院が遠い場合などは、近くの医院やクリニックなどを紹介してもらって、そこでリハビリテーションを行うこともあります。
他の章でも触れましたが、リハビリテーションの最初は、膝が支える力を強くし安定感をもたせることを目的とします。具体的には、膝にかかる負担を小さくして痛みを和らげるため、膝まわりの筋肉や骨、靭帯などを鍛える筋力トレーニングからとりかかります。
どうして筋力トレーニングをするのかというと、膝を動かし安定させているのが膝関節の周囲にある筋肉なことから、膝関節の動きにかかわる筋肉を鍛えるためです。特に、歩く時に重要な役割を果たしている太もも前面の筋肉の「大腿四頭筋」を鍛えることが大切です。なお、筋肉が付くと新陳代謝も高まるため、長期的にも痛みが起こりにくくなることが期待できます。
ただし、トレーニングを始めてから痛みや炎症の激しくなったり、2週間ほど続けて痛みが悪化したりするなどの症状が見られるようなら中止してください。そして、医師などの判断を受けて、OKが出てから再開するようにしましょう。
これらが「大腿四頭筋」