前十字靱帯の役割は膝の中央部にあって、大腿骨外顆の内壁と脛骨前方をつないでいる靭帯です。大腿骨に対し、脛骨が前方へ出ないように抑える役目をしている他、脛骨の回旋も制御しています。膝関節には前述したとおり4つの靭帯があり、膝は骨同士の接触が少ないため、各靭帯が前後左右の動揺を抑えています。
これらの靭帯損傷の多くはスポーツしている時に起こります。
そしてスポーツの中でも、特にバスケットボールやハンドボール、などジャンプの着地の際に膝を捻る動作(足のつま先の方向に対し膝の方向が内側に入る)やピボット(回転軸)動作で、前十字靱帯が損傷しやすくなります。
その他、ラグビーやアメリカンフットボールなど選手同士のコンタクトをした際にも起こる場合もあります。
その他、男性よりも女性に発生することが多く、その頻度は2倍~3倍と言われています。原因としては、筋力が少ないこと、ホルモンバランスの影響、関節が柔らかいため靭帯に負担がかかるからなどといったことが考えられています。