知っておきたい!対処方法
~腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション~

「椎間板ヘルニア」とはどんな病気なのか

ヘルニアを正確に知っている人は少ないかも知れません。

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション編

(4)椎間板ヘルニアの治療法(その2)

ヘルニアの画像

手術には背中から行うものと前から行うものがある

「椎間板ヘルニア」の主な手術方法には、次のようなものがあります。

●椎間板ヘルニア後方摘出術(Love法)
これは、椎間板ヘルニアの治療のために行われる手術の中でも最も多いものの1つです。背中側を切開して、皮膚の下にある脊椎の一部を開き、椎間板から飛び出して神経を圧迫している椎間板の髄核や線維輪を取り出します。なお、術者が見ながら行う(直視下)で行う場合が「LOVE法」、顕微鏡視下で行う手術を「マイクロLOVE法」と呼んで区別する場合もあります。

●内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法)
この手術は、LOVE法などと比較して傷口を小さなもので抑えることができます。その名の通りに、身体への負担が低い、いわゆる「低侵襲(ていしんしゅう)」での手術が可能な内視鏡下で行う手術です。内視鏡を使用するため、切開の範囲も約16~18mmで済み、また腰の筋肉に与えるダメージも低くなることから、手術後の早期離床や回復、痛みの軽減が期待できます。

なお、これら手術の危険性は低いのですが、それでも手術ですから、次のような合併症のリスクが存在することも知っておいてください。

•神経損傷を原因とする下肢麻痺などの障害
•椎間板に炎症が見られた場合などの術後椎間板炎
•神経を包んでいる硬膜損傷を原因とする脊髄液の漏出や、これを原因とする髄膜炎(ずいまくえん)
•切開した箇所に血腫(けっしゅ)が生じた場合に起こる神経麻痺・下肢痛

その他にも、腹部の大血管の損傷による術中の大出血や深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)などの感染症などが生じる可能性もあります。

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション編
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監修

石橋 徹 氏

圓尾 圭史 氏

<整形外科医>
兵庫医科大学
整形外科 助教

<略歴>
・兵庫医大卒業 同大学整形外科入局)
・兵庫医科大学 大学院卒業(2006年卒業)
・宝塚市立病院
・兵庫医科大学助教
・サンフランシスコカリフォルニア大学(UCSF) クリニカルリサーチフェロー
・兵庫医科大学助教