変形性膝関節症は、一度発病してしまうと昔のような膝に戻すことはできません。
しかし、適切な治療を受ければ症状の進行を遅らせて、普通に日常生活を送ることは十分可能です。
そのためには正しい知識を持ち、痛みを我慢したり、年齢だからと諦めたりせずに、適切な治療を受ける必要があります。
変形性膝関節症は段階を経て徐々に悪化していく病気ですが、症状の現れ方や進み方は人によって異なります。
例えば、
X線写真では膝関節の変形が相当進んでいるのに症状がほとんど無い人もいますし、逆にひどく痛むのにX線写真では変形がほとんど見られない人がいたりします。
主な自覚症状としては次のようなものがあげられます。
初期の場合には「膝の違和感」が現れます。特に
朝起きて歩き始めた時に感じることが多いのですが、この段階では、立ち上がるなど膝に力がかかる動作で痛みが見られます。
ただし、その痛みはやがて治まり、
しばらく休むと痛みがなくなります。
しかし、痛みが無くなるからといって治ったわけではなく、初期症状のまま放っておいても、病状は自然に改善されることはありません。
やがて痛みがはっきりと自覚できるようになり、さらに膝が完全に曲がりきらなかったり、伸びきらなかったりするようになります。
そして、正座やしゃがみこんだりする行為がしにくくなり、階段の上り下りがつらくなります。
末期になると、日常生活に支障が起こるほどの痛みを発するようになります。
その結果、日常生活の買い物に行くなどの行動にも支障が出るようになり、
自然と活動範囲が狭くなってしまうため、外界からの刺激が少ない生活からストレスが溜まって、うつ状態になる人もいます。
なお末期になると、骨の変形が相当進んでいるため、外見的にも関節の変形(O脚)が目立つようになる人も少なくありません。