さまざまな原因により入院を余儀なくされることがあります。現在はほとんどの場合、入院したとしても、人の身体は動かさないでいるとすぐに弱ってしまうため、寝たきりの状態にならないように、またできるだけ後遺症を軽減するため、どんな疾病であっても、動かすことのリスクが考えられない限り、できるだけ早くからリハビリテーションが行われるようになっています。
脳梗塞になった場合も同じで、入院して治療を受けた、いわゆる『急性期』と呼ばれる時からリハビリテーションは開始されます。
具体的なリハビリテーションの内容については別章で紹介しますが、基本的には、可能であれば、発症した当日から、麻痺がみられる方の手足の関節を痛みがない程度に動かす関節可動域訓練を始めます。もし麻痺のある手足を動かさないでいると、関節が固まってしまい、機能回復に障害が起こる可能性があるため、できるだけ早く行う必要があるからです。
正門 由久 氏
<リハビリテーション科専門医>
東海大学医学部 専門診療学系 リハビリテーション科学 教授