脳梗塞になった場合の治療法ですが、現在、最も効果があると言われているのが、(1)でも紹介した、点滴でt-PAという薬剤を投与する「経静脈血栓溶解療法(t-PA治療)」です。現在は、約4割の人が、症状がほとんどなくなる程度まで回復するという報告もあります。
それに次いで多いのが、同じく(1)で紹介した、カテーテルを詰まっている血管の手前まで入れて、そこで血栓溶解薬(ウロキナーゼ)を投与する「動脈内血栓溶解療法」です。ただし、この方法で治療が有効だと言われているのは、中大脳動脈という血管が詰まった症例で、かつ症状がひどく無く、発症6時間以内の場合に限られます。
正門 由久 氏
<リハビリテーション科専門医>
東海大学医学部 専門診療学系 リハビリテーション科学 教授