例えば、東北地方などで脳梗塞が多いと言われていますが、その原因と考えられているのは、冬場の野菜摂取のために漬物を多く食べるため、高血圧の大きな原因となる塩分摂取量が多いからではないかということです。また、日本酒の摂取量が多いことも原因だという指摘もあります。
これらの実例で分かるように、塩分の過剰摂取による高血圧などが脳卒中を引き起こす大きな誘因になっていますが、それ以外にも、大量飲酒や喫煙、運動不足などによって、肥満になり、高脂血症や糖尿病になることでも引き起こされます。ちなみに、これらは「生活習慣病」と呼ばれています。
脳梗塞は、遺伝的な要因や体質によって起こる場合もありますが、こうした生活習慣病によって引き起こされることが多く、それまで元気だった人に突然襲い掛かることになるわけです。しかし、実際には日々の不摂生によって引き起こされているわけですから、脳梗塞の予防のためには、日ごろから塩分を控え、適度な運動をし、血圧をコントロールして、自分の健康管理をキチンとすることが大切だということになります。
後で詳しく紹介しますが、脳梗塞になると日常生活に大きな影響を与えるようになることも少なくありません。ですから、日ごろから血圧を注意したり、できるだけ体重を増やさないようにしたりするなど、脳梗塞の予防のために、日々の健康管理に注意しましょう。
正門 由久 氏
<リハビリテーション科専門医>
東海大学医学部 専門診療学系 リハビリテーション科学 教授