「(5)入院中のリハビリテーション(その④)」で少し触れましたが、大腿骨近位部骨折は、完治した後でも何年後かに悪化する場合があります。もし、患者さまに次のような症状があらわれたら、すぐに受診するようにしてください。
・ふくらはぎや足に痛みが出たり異常な腫れがあったりした場合(血栓症の疑い)
・傷口が異常に赤くなる、熱をもつ、膿や血などが現れる場合(感染の疑い)
・胸の痛みや呼吸困難に陥ったりした場合(塞栓症の疑い)
・患部が痛く、38度以上に発熱した場合(感染拡大の疑い)
・手術した部分が再び痛んで歩けなくなった場合(ゆるみ、人工物周囲の骨折の疑い)
これらは、「(6)入院中に家族などがしておくべきこと」で紹介した合併症によって起こる症状です。
福井智一氏
医療法人医誠会
医誠会病院
整形外科