鞆先生がこうした医療グループを作るに至った経緯をお聞きしました。
　「病院で整形外科医として勤務していた時に、実際の診療の現場では、多くの患者さんが整形外科での治療には満足しないで、整骨院や鍼灸院などの民間治療院に行っているという事実を知りました。確かに医者の中には手術をする患者は診るけど、手術をしない患者は診ない医者もいます。しかしそれでは患者さんは満足できない、ですから手術や注射、薬を使わずに手技だけで患者さんを満足させて元気にできる手技療法に興味をもったのです。」

　その後先生は、勤務医をしながら、色々な手技療法を本やセミナーで勉強するとともに、指圧の師範に直接指導を受け、鍼灸治療を学び、カイロプラクティックにも通いながら経験を積んでいきました。しかし学んでいくうちにある疑問が生じたそうです。

　「色々ある手技療法を見ていくうちに、一つの手技療法だけで完璧なものはないということに気づきました。しかし各手技の良い部分を組み合わせたら、きっと完璧なものに近づくに違いないと思ったので、それを実践してみたくなりました。でも医者をしながら1人ではできないため、ではグループを作ろうと思い、その分野のプロたちを集め10年前に作ったのが最初の鍼灸整骨院です。鍼灸整骨院を何店舗かつくっていく中で、患者さんに緊急の事態があった場合や、鍼灸整骨院では対応できない場合、私が勤務している病院に送ってもらって診ていたのですが、他の病院からの患者さんだと、スタッフがレントゲンを見たりは出来なかったため、そこでクリニックが必要だなと思い、5年前にこのクリニックをつくりました。」