知っておきたい!対処方法~腰部脊柱管狭窄症編~

注意すべきこと

腰痛は様々な原因で起こりますが、腰痛に付随した症状として、臀部や脚に疼痛やしびれが生じることがあります。

変形性膝関節症編

(2)末梢血管障害(PAD)と間違わないよう注意が必要です

末梢血管障害(PAD)と間違わないよう注意

鑑別を要する疾患として末梢血管障害(PAD)があります。
PADは、動脈硬化がその原因にあり、下肢の動脈に血流障害を起こします。
その結果、下肢痛や、間欠跛行などの症状が出現します。

腰部脊柱管狭窄症との違いは、PADの場合は血流障害ですから、腰部の伸展で症状が増悪したり、軽度の屈曲で改善したりする姿勢による疼痛の変化は見られません。
また、狭窄症の時に見られる坐骨神経に沿った疼痛よりも、ふくらはぎの部分に疼痛が見られることが多いようです。

よく行う問診に、自転車をこぐときの下肢痛をきかれることがあります。
狭窄症の場合には、自転車での疼痛を覚えることは少ないようです。
診察上は、足背動脈や後脛骨動脈などの脈が触れないことがあります。
しかし、それらの所見も動脈閉塞の程度によりますし、簡単に鑑別がつかないこともあります。
専門医に相談しましょう。

腰部脊柱管狭窄症編 ― 注意すべきこと ―

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監修

石橋 徹 氏

石橋 徹 氏

<医学博士>
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医

<略歴>
・九州大学医学部(1988年卒業)
・九州大学整形外科入局
・九州大学大学院外科系研究科博士課程修了(医学博士)
・米国マサチューセッツ工科大学(生化学部門(制がん剤の研究)および物理学部門(マテリアルサイエンス)博士研究員 )
・国立病院九州医療センター リウマチ科勤務(関節リウマチの薬物治療、高度破壊関節の再建手術を担当)
・生物分子工学研究所主席研究員
などを経て
原土井病院整形外科部長(2009年より)