大きな違いは、
馬尾全体の圧迫か、個別の神経根の症状か、の違いになります。
症状としては、ヘルニアの場合、急性期は疼痛が強く、寝返りが打てないほどの激痛が生じることもあります。
疼痛は、ヘルニアによって圧迫されている神経根に限局しますので、例えばふくらはぎの外側が痛い、とか大腿部の前方が痛い、など障害されている神経根の支配領域に症状が見られます。
狭窄症で見られるような漠然とした両下肢の違和感や間欠跛行は見られません。
また、膀胱直腸障害を合併する頻度は低く、合併する場合はヘルニアの陥頓などにより急性に出現することが問題になります。
その場合は緊急手術が必要になることもあります。
年齢的にも、
狭窄症が60歳以上に多いのに比べ、
ヘルニアの場合はより若年者にも多く見られます。
ただし、腰部脊柱管狭窄症の場合は、馬尾症状単独の場合よりも、ヘルニアなどによる
神経根症状を合併することが多いようです。