知っておきたい!対処方法~腰部脊柱管狭窄症編~

治療・リハビリテーション

腰痛は様々な原因で起こりますが、腰痛に付随した症状として、臀部や脚に疼痛やしびれが生じることがあります。

変形性膝関節症編

(2)運動療法(リハビリテーション)

腰椎周囲の体幹筋の筋力が重要になります。
ただし、リハビリの目的は筋力低下による腰椎の不安定性を改善すること、あるいは増悪させないことになります。
運動療法による症状改善は限定的で、根本的な解決は困難なことが多いようです。
筋力強化によって血流改善が期待できる場合もありますが、効果は限定的でしょう。

運動療法の場合は特に姿勢が重要になります。
つまり、脊柱管が比較的拡大する軽度前屈位での筋力訓練が必要になりますから、慣れた理学療法士などによる注意が必要です。
場合によっては、軽度前屈位を保つためのコルセットの装着が役立つこともあります。

運動療法(リハビリテーション)

高齢者の場合は、歩かなくなることによって廃用性萎縮の状態に移行しやすいと考えていいでしょう。
ほとんど立てない場合でも、大腿四頭筋訓練などは、臥位でもできますので積極的に継続する必要があります。
また、椅子に座った座位から、身体の前に置いたテーブルなどに両手をついて体重を支えながら、軽度前屈位まで立ち上がることを繰り返す、立ち上がり訓練なども有効でしょう。

どちらにしろ、整形外科専門医の診療を受けながら、リハビリ設備とスタッフが充実した医療機関での運動療法が勧められます。

腰部脊柱管狭窄症編 ― 腰部脊柱管狭窄症の治療・リハビリテーション ―

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監修

石橋 徹 氏

石橋 徹 氏

<医学博士>
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医

<略歴>
・九州大学医学部(1988年卒業)
・九州大学整形外科入局
・九州大学大学院外科系研究科博士課程修了(医学博士)
・米国マサチューセッツ工科大学(生化学部門(制がん剤の研究)および物理学部門(マテリアルサイエンス)博士研究員 )
・国立病院九州医療センター リウマチ科勤務(関節リウマチの薬物治療、高度破壊関節の再建手術を担当)
・生物分子工学研究所主席研究員
などを経て
原土井病院整形外科部長(2009年より)