■慢性気管支炎
原因不明の咳や痰が2年以上も続く病気が「慢性気管支炎」です。
それに対して、一時的に咳や痰などの呼吸器症状が出るのが「急性気管支炎」で、慢性気管支炎とは全く異なる病気です。
ちなみに慢性気管支炎は、ほとんどが「肺気腫(はいきしゅ)」という病気を伴うため、まとめて「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼ばれています。
女性に比べて圧倒的に男性の方の発症数が多く、症状としては、常に咳や痰が常に出る状態が続き、さらに階段の上り下りなど身体を動かすと咳が出て呼吸困難になります。
また、気温が低下する冬になると症状が悪化することも少なくありません。
なお痰は、白いだけでなく、膿が混ざった黄色や緑色などをしている場合があります。
ちなみに痰は、空気と一緒に入ってくる異物から呼吸器を守るために粘液や分泌物を送り出している気管支内をおおう粘膜(ねんまく)にある杯細胞(さかずきさいぼう)が異物をとらえた時に、それを喉の方に押し出そうとする際に発生します。
慢性気管支炎になる最大の原因はタバコです。
特に7年以上吸っている人は、特に罹りやすいことが分かっています。
これは、喫煙することで気管支の部分に慢性的な刺激が与えられることが原因だと考えられています。
また、長い間タバコを吸っていると、杯細胞や気管支腺が増加して、そこからの分泌物がたまってできる、痰も増えるようになります。
ただし、タバコを吸わない人でも、大気汚染の地域に住んでいたり、粉塵(ふんじん)刺激性のガスがある職場で働いていたりした場合には、発生することがあります。
さらに、そういった環境要因がない人にも発生する場合もあることから、体質も関係しているのではないかと考えられています。
なお、他の呼吸器系の疾患と似た症状が見られることから、本当に慢性気管支炎であるかどうかは専門的な検査が必要になります。