「呼吸器系疾患」は、その名の通り、上気道や気管・気管支、肺、胸膜などの呼吸器に起こる疾患の総称で、対象となる部位が多いため、多様な症状が見られるのが特徴になっています。
ただし共通して見られる症状もあり、例えば、咳や痰、呼吸困難、胸痛、呼吸をする度に「ゼーゼー、ヒューヒュー」と音がする雑音(喘鳴:ぜいめい)などの症状が挙げられます。
ただし、これらは、一見すると風邪の症状にもよく似ているので、実際にはどのような疾患が原因なのかは、専門家に診断してもらう必要があります。
これらの呼吸器系の中で最も大きな臓器が肺です。
人間はもちろん、一般的に動物は呼吸をすることで空気中から酸素を体内に取り込み、二酸化炭素を体外に輩出しますが、その役割を担っているのが肺です。
肺は胸郭が動いて胸腔の内圧を変化させることで、膨らんだり縮んだりします。
ちなみに胸郭は肋骨や胸骨、脊椎などから構成されていて、それぞれに手足と同じように関節があり、その関節が動くので、大きくなったり小さくなったりできるわけです。
この胸郭を動かしている筋肉を「呼吸筋」と呼びます。
吸う時には「横隔膜」や「肋間筋」などの筋肉を使います。
ちなみに吐く時は、バネのように弾力がある胸郭が縮む力を利用するため、特別に筋肉は使っていません。
ただし、深呼吸など強く息を吐く時には腹筋などを使っています。