椎間板ヘルニアは、誰でもなる可能性がある
椎間板が変形できるのは内部に多くの水分が含まれているからです。しかし、加齢に伴って水分は徐々に減っていき、同時に弾力は低下します。そのため変形しにくくなって、ヘルニアが起こりやすくなります。この事実で分かるように、腰痛は誰にでも起きる可能性があるわけです。人は健康であればあるほど、突如、腰に痛みが発することなど実感が湧きませんが、油断はできないということです。
特に、デスクワークが中心の仕事の人などは、同じ体勢で長時間座っていることも多いため疲労が腰に貯まりやすいことなどもあるので、注意が必要です。
また、椎間板ヘルニアの中には、遺伝的要因が原因で起こるものがあることも知られているので、もし身内に椎間板ヘルニアになった人がいれば、用心された方がいいでしょう。
なお、腰にある椎骨を「腰椎」と呼びますが、この腰椎にヘルニアが起こった場合、その急激な痛みから、「ぎっくり腰」と間違えやすいので勝手に自分で判断しないようにしましょう。ぎっくり腰になる原因は、多くは腰の筋肉疲労によりますが、椎間板ヘルニアは、上記のように要因が全く違うからです。
また、前述のように加齢に伴って生じやすくなる病気ですが、若いからといって安心していてはいけません。髄核に弾力があっても、急激に腰をひねったり、中腰で重いものを持ち上げたりするなど、椎間板に強い力が加わることで繊維輪に亀裂ができたりするからで、それは20~30歳代でも例外ではありません。特に、この年代は、つい無理をしてしまいがちなことから、この年代の男性は、腰椎の下部に起こりやすい傾向が観られるので注意が必要です。特に椎間板ヘルニアの場合、年齢に関係なく慢性化しやすいので、用心しましょう。