急性期リハビリテーションに引き続いて行われるにが「回復期リハビリテーション」です。時期的には、患者さんの様態がはっきりし、障害がどこに残っているのかも分かってきている頃に行われます。ですから、後遺症の程度やその回復具合など個人差を踏まえて、後遺症が残るとしても、少しでも日常生活ができるように、それぞれの患者さんに合わせた訓練が行われます。
最も主眼が置かれるのが、(1)でも触れました、筋肉が衰える「廃用症候群」を予防することです。最初は、手足をキチンと指定された場所で保つ訓練が行われます(これを「良肢位保持」といいます)。
次に、関節や筋肉が固まって動かなくなるのを予防するために手足の関節を動かします(これを「関節可動域訓練」といいます)。その他、寝たきりでいると“床ずれ”が起こりますので、それら防ぐために身体をずらす訓練を行います(これを「体位変換」といいます)。
そして、治療の効果が出て病気の状態が落ち着くと、起きて座る姿勢を保つ訓練を行います(これを「座位耐性訓練」といいます)。
さらに、この頃になると、食べたり飲んだりする訓練も始めます(これを「嚥下訓練」といいます)。
その他、身体を動かすことと同様に日常生活において重要な役割を果たす“言語”に残った障害があった場合には、それを回復するためのリハビリテーションが行われますが、詳しくは(3)で紹介します。
池永 透 氏
畷生会脳神経外科病院
脳神経外科 部長