現在、在宅療養患者を支援するサービスは実に多彩に用意されています。基本的にケアマネジャーがケアプランを組んで本人の生活支援に向けたメニューを組んでくれますが、家族としても支援する重要な担い手ですから、しっかりと自分たちの希望や疑問を伝えておく必要があります。
本人のADL(日常生活動作能力)はどの程度で、それに対してどのようなケアプランを組んだのか、といったことを尋ねてみてもいいかもしれません。私たちリハビリテーションスタッフは、運動発達過程を参照にすることがあります。首が据わり、寝返りを打つようになり、お座りをし、立ち上がるという成長過程をたどります。首が据わるというのは首を持ち上げられるということでもあるのですが、これがなければ寝返りを打つという次のステップに進むことはできません。自力で寝返りを打てるのであれば、褥瘡防止マットではなく、多少寝心地が悪くても高反発マットを用いてADLの向上を図るという考え方もできます。
こうしたことはなかなか家族だけでは判断できませんし、介護職でも測りかねるポイントも少なくありません。定期的に医療スタッフがチェックできる機会を用意しておくことも重要でしょう。
宮崎陽夫氏
理学療法士
医療法人社団誠馨会総泉病院リハビリテーション部部長