知っておきたい!対処方法~腰部脊柱管狭窄症編~

医学的所見

腰痛は様々な原因で起こりますが、腰痛に付随した症状として、臀部や脚に疼痛やしびれが生じることがあります。

変形性膝関節症編

(2-1)腰部脊柱管狭窄症の原因

脊柱管を構成する成分の、前方、側方および後方のどの成分による圧排によっても、狭窄が生じることがあります。

多くの場合、椎間板ヘルニアなどの前方成分と、横靭帯や椎間関節など、椎弓成分の肥厚による後方成分の、両方による狭窄が見られます。
狭窄部では、腰椎の背屈によって脊柱管はさらに狭小化する傾向にあり、前屈位でやや拡大するため、姿勢要素による疼痛の増減が観察されます。

(2-2)腰部脊柱管狭窄症の病態

腰部脊柱管狭窄症の病態

狭窄部位では、神経を栄養する血管の絞扼が起こります。
その結果、阻血性の神経障害と、神経そのものの肥厚や変性、腫脹や浮腫などの病態を生じます。
絞扼性の神経障害ではありますが、神経の血流障害が主因と考えられています。
したがって、治療は神経に対する物理学的な圧迫を取り除く手術療法と、血流改善を期待する血管拡張療法が主になります。

腰部脊柱管狭窄症編 ― 医学的所見 ―

腰部脊柱管狭窄症になってしまったら? 「知っておきたい対処方法」の一覧へ

監修

石橋 徹 氏

石橋 徹 氏

<医学博士>
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医

<略歴>
・九州大学医学部(1988年卒業)
・九州大学整形外科入局
・九州大学大学院外科系研究科博士課程修了(医学博士)
・米国マサチューセッツ工科大学(生化学部門(制がん剤の研究)および物理学部門(マテリアルサイエンス)博士研究員 )
・国立病院九州医療センター リウマチ科勤務(関節リウマチの薬物治療、高度破壊関節の再建手術を担当)
・生物分子工学研究所主席研究員
などを経て
原土井病院整形外科部長(2009年より)