楽に立つためには腸腰筋とハムストリングスの柔軟性を高めることが大切
入院して寝ている間に、筋肉は、どうしても弱まってしまいます。特に太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)などがこわばる(硬くなる)ので、その解消ができるストレッチをすることをお勧めします。
まず、仰向けに寝た状態で片方の足を90度に曲げた上体で上に上げます。その際、膝の裏は両手で支えます。足が上がったら、曲げていた足をゆっくり伸ばして、その状態を約10秒キープします。これを両足交互に『筋肉が何となく伸びてきたな』と感じるまで行います。ただし、あくまでも決して無理をしない範囲でやるようにしてください。
同じように仰向けに寝た状態から、片足を両手で持ち、そのまま胸の方に引き上げます。そして痛みを感じない程度のところで止めて約10秒間キープし、ゆっくりと戻します。これも両足交互に、痛みを感じない程度の回数行ってください。
ウォーキングは有酸素運動ですし、腰への負担も少ない運動ですから、椎間板ヘルニアのリハビリテーションには最適です。例えば、エレベーターを使わず階段を利用するとか、1駅手前で降りて歩くなど、ちょっとした工夫で歩く距離を伸ばすようにしましょう。
その際の注意ポイントは、力まずに足は踵から直視して指で地面を蹴るように歩くことです。さらに、正しい姿勢を意識しながら、心持ち歩幅を広くすることも意識してください。
歩くことで腹筋や背筋も鍛えられますし、また、有酸素運動のため新陳代謝も良くなり、肥満防止など健康にも良い影響を与えてくれることが期待できます。もちろん、腰が痛いのに無理して歩く必要はなく、あくまで自分のペースを守って、リラックスしながら歩くようにしましょう。そして肝心なのは、気長に『続ける』ことです。運動することを日常生活の習慣にしておけば、無理なく続けることができます。
なお、こうしたリハビリテーションを自宅で続けながら、半年や1年などサイクルを決めて定期的にMRI検査を受けて、回復状況をチェックするようにすることも忘れないようにしてください。