知っておきたい!対処方法~変形性膝関節症編~

リハビリテーションのやり方

変形性膝関節症は、歩く際に膝に痛みを感じ、最悪の場合は歩行困難になることもある病気です。

変形性膝関節症編

(3)リハビリテーションのやり方(その②)

変形性膝関節症のリハビリテーションとなる運動療法には立って行うものもあります。

まず、壁などにもたれかかった状態で立ち、脚を腰幅ぐらいに開きます。そして足の指先と膝の皿を正面に向けてください。そして背中は壁にくっつけたまま、ゆっくりと腰を落とします。膝が30度程度曲がったところで10秒ほど止めて(痛みがある時は、もっと短くても構いません)、やはり壁に背中をくっつけた状態で身体を上に起こします。これは、いわゆる「スクワット」という運動ですが、これを3回ほど繰り返してください。

壁面を脚全体で10秒ほど押す運動

また、何か物を使って行う運動もあります。
例えば、子どもさんが昔使っていたサッカーボールやバレーボールが残っていたら、それを利用した運動ができます。

ボールを使ったリハビリ

具体的には、足を伸ばして座り、そのボールを太ももの間に挟み込みます。自然と脚はボールの幅に広がりますが、それを両足で縮めるようにしてください。
ボールがありますから、当然、力がいりますが、ゆっくりとボールを押しつぶすように5秒ほど力を入れましょう。
なお、この時、ボールは床につけた状態のままにしておいてください。
5秒すぎたら力を抜いて元の状態に戻します。これを20回繰り返してください。

その他、膝は温めた状態がいいので、浴槽に遣っている時に脚を伸ばして壁面を脚全体で10秒ほど押すという運動を20回繰り返すトレーニング方法などもあります。
水の中でしたら脚も持ち上げやすいので、痛みがある人でも楽にできる運動と言います。

以上は、それぞれ膝の関節を支える筋肉を鍛えることを目的にした運動です。
これら以外にも、まだいろいろなやり方があるので、医師や理学療法士に聞いて自分に合った方法を探して、家でも毎日、習慣としてやるようにしてください。
ただし、決して無理しないように。

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変形性膝関節症編 ― 変形性膝関節症のリハビリテーション ―

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監修

中山 寛 氏

中山 寛 氏

兵庫医科大学  整形外科 助教

昭和52年生まれ

医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本体育協会認定スポーツ医、専門はスポーツ整形外科、下肢関節鏡手術(股関節、膝関節、足関節)。